2010年6月1日火曜日

「黒糖の日」制定記念シンポジウムレポート

今年から5月10日は「黒糖の日」ということで、
5月10日には沖縄で盛大にセレモニーが開催されました。
当日、同時開催されたシンポジウムには弊社副社長もパネリストとして参加、
今回は当日のレポートを紹介!!

題名:「黒糖の秘めたるパワーを活用しよう!」
講師:琉球大学農学部 和田浩二教授

(1)黒糖の製造方法と成分
黒糖はさとうきびの搾汁液を加熱濃縮して作る為、独特の色、味、香りを持ち、ショ糖以外にさとうきび由来の有用成分が多く含まれる。

(2)黒糖の有用成分
● 黒糖の食品成分組成
炭水化物(89%)、水分(4%)、ミネラル(4%)、その他(3%)

・その他に含まれるもの
フェノール化合物、ポリコサノール、香気成分、着色成分など

・ミネラル
マクロミネラルであるK、Ca、Mg、Naなどが多く含まれ、人間の細胞維持や神経伝達を調整するミネラルが豊富に含まれる。
マクロミネラルとは、体液のpHや浸透圧を正常に保ち、神経や筋肉の応答にも関与する。
※ミネラル含量はさとうきびの栽培土壌環境の影響が大きい

● 黒糖の機能性成分
・フェノール化合物(茶、ワインの機能成分として有名なポリフェノール)
黒糖から数十種類のフェノール化合物の存在と化学構造が明らかになっており、
それぞれが強い抗酸化活性を持っており、動物実験で強い動脈硬化の抑制作用なども認められている。
※フェノール化合物はさとうきびの品種、生育期、収穫期の影響が大きい

・ポリコサノール(ワックス成分)
さとうきびの表皮に存在するワックス成分も黒糖に含まれており、血清コレステロールの低下作用、基礎代謝の向上といった機能性のあるオクタコサール、ポリコサールが存在する。
・ポリコサノールの食品機能性として
 血清コレステロールの低下作用
 血小板凝集抑制効果
 基礎代謝の向上
 耐久力、体力の増進
 反射、鋭敏性の向上 などがある。
※ポリコサノールは原料さとうきびよりも黒糖の製造工程の影響を受ける。

(3)黒糖の新たな機能性
黒糖には様々なさとうきび由来の有用成分が含まれていることが研究から明らかになっており、抗アレルギー、抗炎症(日焼け・紫外線)の抑制効果といった新たな機能性にも着目されている。

上記のように、黒糖は単なる砂糖ではなく、様々な効果がある食品です。
日々の生活に少しでも黒糖を取り入れてみてはいかがでしょうか?